シーリング印刷について
2022年09月08日シーリング印刷とは?
シーリング印刷とは文字通りシールの印刷に特化した印刷です。
シールを作るのにはオフセット印刷やシルク印刷で行う場合もありますが、通常シーリング印刷と言えばロール紙を使用した凸版印刷を指します。
シール印刷機はロールtoロール(ロール紙に刷ってロールに仕上げる)ですがシート状の仕上げにすることももちろん可能です。
シーリング印刷の特徴
シーリング印刷機はインラインに各種装置を組み込むことにより1パスで多くの加工を一度にこなすことが出来ます。例を挙げるとラミネート、抜き、カス上げ(シールの不要部分をめくりとる。)、箔押し、シートカットなどです。特殊な例としてはコンピューター帳票用のスプロケット用穴開けや活版によるナンバーリング、部分的に粘着をなくす「糊殺し」などもできます。こうしてインラインで多数の工程をこなすことができるため(セッティングに時間は掛かりますが)平版印刷等に比べると比較的安価に製作することができます。
シーリング印刷機の種類
平圧印刷機
平圧印刷機は文字通り平らな凸版を使用します。これをチェースという台の上にセットしそこにインキを塗り、版胴の上下動ではんこを押すように印刷します。紙に対して印刷が「面」で行われるため、面積の大きなベタ印刷などではしっかりインキを付けるためにインキ量は多めにして圧を多めにかけて押しつける必要があり、マージナルゾーンの発生原因になります。また細かい文字やグラデーションでは文字やアミ点が潰れないよう弱めの圧で印刷するのですが、それらとベタが混在していると圧の管理が難しくなります。平圧印刷機には低圧で印刷できる文字等が向いていると言えます。
弊社には30型(2色機)と45型(3色機)がありますがチェースとインキローラーを交換することにより30型は3色まで、45型は5色まで印刷することができます。(ラベルサイズには制限があります。)
凸版間欠輪転機
間欠機に限らず輪転機では円柱形の版胴(シリンダー)に版を巻き付けてセットします。
ここにローラーでインキを付けて紙の上を転がすように印刷していきます。これにより印刷は「線」で行われるため、ベタの乗りも良くあまり圧をかけることなく行えるのでアミ点やグラデーションも高い次元で表現できます。
間欠輪転機は同じシリンダーで幅広い印刷ピッチに対応するため版ピッチによって出る送り寸法の差を紙を後退させることにより対応しています。
間欠輪転機の最大送りピッチは200mm程度(もちろん機種によって違います。)なのですが100mmピッチの印刷を行いたい場合、紙の流れが一定だと100mm分の余白が出来ます。これをなくすためにその分紙を後退させることで対応しています。速度は20M/分と比較的早く、後述するロータリー印刷機に比べると紙のヤレも少なく今後のシール印刷機の主流と言える機種です。
弊社には3色機、5色機、5色+裏1色の6色機があります。
ロータリー印刷機
ロータリー印刷機はシリンダー全周に版を巻き付けてセットします。紙は後退することなく一定の速度で運ばれます。そのため50M/分という高速運転が可能で大ロットの印刷に適しています。
ただし、シリンダーの直径=送りピッチとなるため多種多様のピッチに対応するために直径の違うシリンダーが多数必要になります。また機械としても大きいので紙のヤレも多くなります。
弊社には4色機と7色機があります。
オフセット間欠輪転機
平版印刷の一種で、刷版のインキをブランケットと呼ばれるローラーに転写し、ブランケットから用紙に転写されます。ブランケットに転写することを「off(オフ)」、ブランケットから用紙に転写することを「set(セット)」と呼ぶことから合わせてオフセット(印刷)となります。
版が用紙に直接触れないため版の摩耗が少なく鮮明で高画質、フルカラーで印刷速度が速く、印刷数が多くなればコストメリットも期待できます。