印刷原稿について
2022年09月08日かつては製版をするのに台紙に写植文字や手描きロゴ、イラストなどを貼り付け、版下を作っていました。これをフィルムに撮り、組み合わせて製版フィルムを作り、それを版材に焼き付けて刷版を作っていました。
しかし現在ではそれらの作業をすべてコンピュータのモニター上で行えます。
そのベースになるのが「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」です。本やページの多いカタログなどはこれに加えて「Indesign(インデザイン)」などのページレイアウトソフトを使いますがシール印刷の場合はほぼイラストレーターで完結できます。挿入する写真は「Photoshop」(フォトショップ)で切り抜きや加工を行います。
イラストレーターで扱われるデータは主にベジェ曲線と呼ばれるベクトルデータで構成されます。これにより画像データとは違って拡大しても曲線がギザギザになることはりません。
フォトショップで扱う画像データはピクセルと呼ばれる小さな四角の集まりなので拡大するとギザギザが現れます。
Webで使用する画像は通常72dpi(1インチに72個のピクセルが並ぶ)ですが、印刷原稿に使うには300〜350dpi程度の高解像度のものが必要です。解像度の低い画像を使って印刷すると粗い仕上がりになってしまうので画像入りの原稿の場合は注意が必要です。
こうして出来た印刷原稿はモニター上で確認できますしプリントアウトしたものはそのままゲラとして使用できます。
このデータを色ごとにフィルム出力し、樹脂や金属の版材に焼き付けエッチング技法で腐食させて凸版にします。
近年ではCTP(Computer to Plate)という技術でフィルムを介さず、直接刷版として出力できるようになりさらに省力化が進んでいます。
さらに、デジタル印刷ではこの刷版も介さず、直接原紙に印刷します。