永坂シール印刷株式会社

印刷のマメ知識

KNOWLEDGE

色について

2022年09月08日

色とインキ

印刷で用いる色の種類はプロセスカラー(フルカラー)とスポットカラー(特色)です。これはPC上でよく使われるRGBカラーやLabカラーなどとは違い、実際に印刷に使うインキの色です。モニター上と紙の上の印刷物が100%同じにならないことをご理解ください。
インキは普通インキの他に特殊な色のものとしてメタリックインキ、蛍光インキ、パールインキ等があります。これらは特殊顔料などが使用されており普通インキで出せない色をすることができます。
また用途的に特殊なものとしては暗闇で発光する蓄光インキや温度で色の変わる示温インキなどもあります。

プロセスカラー

プロセスカラーとはいわゆる『フルカラー』のことです。赤、黄、緑等のあらゆる色(金銀や蛍光色は除く)は3つの色の重ね合わせで表現することができます。3つの色とはシアン(C)マゼンタ(M)イエロー(Y)です。シアンの上にイエローを重ねると緑色を表現できますし、マゼンタの上にイエローを重ねると赤を表現できます。また、3色を重ねると図1-1のように黒色になります。中間の色を表現するにはそれぞれの濃度を調整します。この場合の『濃度』とはインキを薄めるのではなく『アミ点』と呼ばれる点の集まりの密度で調節します。カラーチャート(図1-2)でいえばイエロー100%とマゼンタ40%を重ねるとオレンジ色になることがわかります。こうしてあらゆる色が表現できるわけです。

実際にはこの3色に黒(K)を加えた4色で印刷を行います。この4色をプロセスカラーと呼び、この4色であらゆる色を表現する印刷をプロセス印刷といいます。プロセス印刷には細密なアミ点の再現が不可欠となりますのでシルク印刷などではやや難があります。オンデマンド印刷ではほとんどがこのプロセスカラーで印刷します。金銀が印刷できる機械もありますが、その場合は4色とは別に銀のインキが用意されています。凸版印刷も以前ではあまりきれいにできませんでしたが、近年製版技術と輪転機の普及によってオフセットにひけをとらないものが刷れるようになってきました。

図1-1
図1-2

スポットカラー

カスタムカラーとは文字通り『特色』のことです。プロセスカラーが3原色プラス黒ですべての色を表現するのに対しカスタムカラーはインキを調合してその色を作り出して印刷します。このインキの調合もかつてはオペレーターのカンと経験で行われていましたが最近ではコンピュータ解析による調色システム(CCM=Computer Color Matching)が多く使われるようになりベテランでなくとも見本通りの調色ができるようになりました。また色の指針としては『カラーチップ』とが『カラーガイド』と呼ばれるものが使われます。これは基準となる色に番号をつけた色見本帳でDIC(大日本インキ)とPANTONEのものが有名です。これらを用いることで実際に目にしないと伝えにくい『色』というものを標準化することができます。

color book

CMYKとRGB

カラーの表現方法にRGBがあります。これはモニター等発光する物の色の表示方法です。R(赤)G(緑)B(青)の3色を0〜255の強さで表し、3色全てが255だと白になります。CMYがすべて100%だと黒になるのとは反対です。RGBは可視できる色の範囲ですので、印刷で表現できる色域であるCMYKより広域です。原稿作成時にRGBモードで作ることはできますが、実際に製版・印刷の際にはCMYKモードに変換されてしまいます。その際にCMYKで表現できない色が使われていると、いざ印刷が仕上がってみると思った色ではない、ということになりかねませんので原稿作成時にはCMYKモードで行う必要があります。

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